You Tubeとテレビで異なる「カット編集」気をつけたいポイントとは!?

cut edit

YouTubeでは演者さんの喋りの間を詰めた、テンポのいい動画を多く見かけます。

例えば自己啓発系や稼ぐ系の講師、ビジネスYou Tuberなどです。

これらの動画は「カット編集」と呼ばれる手法が多く用いられています。

時代が進むにつれて、視聴者のカット編集のニーズも変化しているので、僕たちも見逃せません。

今回はカット編集について解説していきます。

目次

「カット編集」とは必要な部分だけ抜き出して、つなぎ合わせる編集方法

撮影した動画素材の中から最適なものを選んでつなぎ合わせ、ストーリーを作りあげる作業を編集といいます。

その中で最もシンプルな手法が、カット編集です。

「カット編集」は素材(映像クリップ)の不要な部分をカット(削除)し、必要な部分だけを抜き出して、素材同士をダイレクトにつなぎ合わせる編集方法のことです。

演出によって素材のつなぎ目に「ディゾルブ」や「ワイプ」などのトランジション機能による特殊効果(エフェクト)をかけることもありますが、これらの手法は「カット編集」とは言いません。

独立し仕事を探していた僕に、クリエイターAさんから受けた質問です。

Aさん

金田さんは「カット編集」できますか?

金田

もちろんできます!基本的な編集方法ですから!

心の声

20年以上映像編集に携わる僕にとってカット編集はできて当たり前だったので、「なんで今さらそんなことを聞くのかな??

一見普通の会話ですが、二人の認識にズレがあったのです。

Aさんがおっしゃっていたのは、YouTubeで多用している「喋りの間を詰める」カット編集でした。

この編集方法が「ジャンプカット」です。

同じ素材の不要な部分だけ、間を詰めながらそのままつないでいくので、「ジャンプ」という表現が使われています。

例えば、ある場所に人物が立っていたとします。

背景を動かさずに人物がいる場面と立ち去っていなくなった場面を、間を詰めて編集でつなぐと、忍者のように突然人物が消えたようなイメージになります。

昔の特撮映画などで良く見られた演出ですが、これも「ジャンプカット」の一種です。

「ジャンプカット」はせっかちな現代人に合わせた新手法

You Tubeの編集では当たり前の「ジャンプカット」は、テレビのVTR編集では多用しないのが鉄則でした

カメラ1台でインタビュー取材はよくあるのですが、どうしても同じポジション・同じアングルに固定して収録することになるので、連続して似たような映像になってしまいます。

当然、話の内容をコンパクトにわかりやすくするため、編集では余計な部分をカットしますが、その時に必ず起きるのが「ジャンプカット」です。

テレビのVTR編集では何度もジャンプカットを繰り替えしてしまうと、僕たちは「ダメな編集だなぁ」とか「もう少し何とかならんかったかなぁ?」と反省します。

先輩カメラマンからは「下手くそだからこんな編集になるんだ!」とか「ちゃんと頭を使って撮ってんのか!?」と叱られたこともありました。

僕たちプロのカメラマンはこのようなことを防ぐため、カメラワークで人物の画面サイズを変えたり、インサート用の映像を撮影します。

例えば取材対象の目元や手元のアップ、聞き手との2ショット、さらに話の内容に合わせた物やシーンなどを別撮りしておくのです。

これらの映像をインタビューのつなぎ目にインサートする(被せる)とジャンプカットにならないですし、話題が変わった時の場面転換になったり話の内容を補足したり、感情移入させる演出もできるので、編集テクニックとして日常的に使っています。

視聴者に感動してもらえば、手法にこだわらなくて良い

ジャンプカットだらけがダメな編集なのかというと、必ずしもそうではありません。

最近話題になった「ファスト・ムービー」や時短のための「倍速視聴」が好まれるということは、じっくり動画を観る人の割合がどんどん減ってきているといえます。

その対策として生まれたのが「ジャンプカット多用の編集」です。

YouTubeなどで観られる「一人喋りの動画」は、「ジャンプカット」を多用することで実に効果的な演出を生み出しています。

言葉のつっかえや、まどろっこしい部分を極限までそぎ落としているので、離脱率が低く最後まで観てもらえる確率がアップするのです。

僕たち「まるっと動画プロモーション」では、クライアントの価値を高め、訴求力のある動画作りを目指しています。

クライアントのため視聴者の心を釘付けにするためだったら、必要に応じて「今どきのジャンプカット」もためらわずに使います。

芸術性の高い作品には使えませんが、情報系の動画なら視聴者の興味を引き、知りたいことが伝われば良いのですから、形にこだわる必要はないと考えています。

一番大切なのはテクニックではなく「企画力」「構成力」です。

僕たちは皆さまのお役に立つ動画を作るため、日々研鑽を積みながら、良いものは何でも吸収していきたいと思います!

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