いまや誰でも気軽に動画を撮影し、簡単に発信できる時代になりました。
目の前で起きているヤバいことや美しい光景”に出くわした時、スマホを向けて録画ボタンをタップするだけで「スクープ映像」や「バズる動画」が撮れます。
長年、報道制作現場で活動してきた僕たちプロカメラマンにとって、こうしたテクノロジーの進歩は“脅威”と言っても過言ではありません。
昔は数百万円もするカメラしかありませんでしたし、今でも業務用カメラは数十万円しますから、動画なら僕たちプロにお任せあれ!って感じでした。
それがいま仲間内では「この状況ってヤバいよね?」「我々の存在価値は?!」などと叫びながら、戦々恐々となっているわけです…。(汗)
それなので「僕たちと一般の方々との違いって何かないのかなぁ?」と改めて感じ、筆を執りました。
結果を出すために僕たちが撮影で意識していることは何か?を突き詰めて考えました。
撮影前は事前のリサーチを怠らない
撮影準備に際し、カメラ一つを取っても撮影シーンや環境、狙いによって機材を使い分けています。
通常のロケだと、テレビの仕事で使っている業務用CCDカメラをメインで使用します。
おしゃれなプロモーションビデオの場合は、流行りのシネマ系カメラ(デジタル一眼カメラ)を使うことも。
また躍動感の演出や非日常的な目線でインパクトのある映像を撮りたいときは、GoProなどのアクションカメラも効果的です。
気楽な雰囲気で相手が自然体になるように気を遣う時は、あえてスマホを使うこともあります。
その他、三脚・照明・音声機材も含め、何をどう表現したいかによって使う機材を選んでいるわけです。
上記の通り、場面によって扱う機材が異なることは明白で、結果が出る動画には「事前のリサーチ」が欠かせません。
場所の広さや明るさ、撮影する対象物、大きさなど、あらゆる要素を事前に調べておけば最適な機材を用意して納得のいく映像を撮ることができるのです。
もう一つ挙げると僕たちプロは、台本や絵コンテを用意して撮影プランを練ります。
時にはドキュメンタリーのような、なにが起こるかわからない現場もあります。
次に起こりうる事象を頭の中で想像し、落ち着いて対処できるようにシミュレーションしておくことも意識して行います。
最適なポジション・アングル・構図が、動画制作の鍵を握る
カメラのファインダーを覗くと、僕は真っ先に構図を決めます。
構図といっても種類は様々です。
美しくバランスの取れた構図は見ていて心地よく、雑念を排除してくれます。
また被写体を際立たせたり、視線を誘導するような画作りもできます。
これらの手法はすべて、視聴者を画面に釘付けにして飽きさせないために意図して使られてるのです。
構図を決める前にも考えることがあります。
それは「カメラポジション」と「カメラアングル」です。
この2つをおろそかにすると、構図もバシッと決まりません
「最適なポジション」「アングル」「構図」これらが絶妙に絡み合うことで初めて“イイ画”が撮れるのです。
さらに僕は構図を決める時にもうひとつ意識していることがあります。
画面の中に「余計なモノ」を入れこまないことです。
画面を切り取る作業は、注意深くなくてはなりません。
画面の端っこに余計なモノが映っていると、目線がそちらに向かって注意散漫になり、見せたいものを見てくれません。
とにかく視聴者に違和感を覚えさせないことが大切です。
編集を前提に撮影を行う!感情を動かすストーリーのつくり方を身につける。
映像作品は必ず編集を経て完成します。
なぜ編集するのかと言うと、物事を伝えるにはストーリーが必要だからです。
映画やドラマ、テレビ番組には「シナリオ」や「台本」があります。
もちろんYouTubeにも「ストーリー」があります。
「ストーリー」には人が感動せずにはおられない、“型”や“テンプレート”があるのです。
モノを売るための鉄板の型や、負け犬がヒーローになるサクセスストーリーなど、見ていて心が動く作品には、人間心理に必ず訴えかけるパターンが存在します。
僕たちプロは様々な知識や経験を基にこれらのノウハウを身に着けて、自身のアイデアやオリジナリティを加えながら、視聴者を釘付けにする作品を狙ってつくっているのです。
「良くわかった」「儲かった!」「感動した!」「得した!」「ありがとう!!(泣)」など、このような感動の言葉を聞きたい、視聴者に価値を実感していただきたい一心で制作しています。
これからも制作活動に全力で励みます!